武富智/EVIL HEART

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というわけで、最近お気に入りの漫画がコレ。 現在ヤングジャンプで連載中で、先日コミックの1,2巻が発売されたばかりです。(コレがなかなか売ってないでやんの。 本屋5軒もまわってやっと見つけましたよ)
この漫画の作者である武富智氏を知ったのは、同じくヤンジャンで連載してた「キャラメラ」という漫画だったんですが、この頃から氏の描く独特のタッチの絵が好きでした。 なんか、顔の表情1つ1つがちゃんと「生きてる」んですよ。 描き込み系のタッチではなく、適度にデフォルメされているはずなのに、どのページの表情を見ても、そこからキャラクターの感情がはっきりと見て取れるんです。 笑い顔、泣き顔、ふくれっ面、悩み…これらの表情がナチュラルに出てくるこの絵がとにかく好きです。
そして、絵だけでなく、ストーリーも引き込まれるものがあります。 武富氏は、青春時代のひたむきで、時には思い悩む感情をテーマにした作品が得意なようで、キャラメラの時もそうだったんですが、実際に自分が同じ状況を体験したわけでも無いのに、不思議と懐かしい感じがするんですよ。 シチュエーションは違っていても、心情的な部分で昔の自分とオーバーラップする部分がどこかにあって、そこに反応してしまうのでしょうか…?? とにかく、読んでいるとどんどんと引き込まれていきます。
で、今回の「EVIL HEART」です。 この言葉の意味は「邪悪な心」。 この物語では、主人公である正木梅夫が、中学の入学早々、上級生と喧嘩するシーンから始まります。 主人公「ウメ」は、家庭環境に事情があり、姉を守りたいというひたむきな思いが、いつしか「兄を殺してやるんだ」といった思考に傾いてしまいます。 つまり、「EVIL HEART=邪悪な心」になってしまうわけです。 しかし、そんな中、合気道を教えるダニエル先生に出会い、いつしか合気道の魅力に惹かれていきます。 「合気道とは、絶対不敗=絶対に争わないこと」「人を動かすのは力だけじゃない」 力でねじ伏せることしか頭に無いウメには、合気道の真髄がわからないまま、力でねじ伏せるという思考を持つ悪い仲間が出来るのですが、その仲間の秘密を知ってしまい、学校の屋上で殴りあいとなってしまいます。 しかし、そこで相手を誤って突き落としてしまいそうになり…その極限状態で、初めて自分の本心と合気道に隠された真髄を知るわけです。
…と、ここまでが2巻までの内容。 特に、2巻の終盤はウメの転機となる部分で、グイグイ惹き込まれます。 で、この「EVIL HEART」は、ウメの変化で章立てがしてあって、1巻が「出会い」、2巻が「力」となっていて、現在は「心」編が連載中です。 合気道にのめりこみ始めたウメのところに、同じく合気道をやっている女の子「ツル」が現れます。 喧嘩しつつも合気道という部分で結ばれている二人…これからどうなっていくのでしょう? 楽しみです。