オリジナル・サウンド・オブ グラディウス&沙羅曼陀 バトルミュージックコレクション

なんと、アキバの某店にてこんなレアモノを見つけてしまいました。 古くからのゲームミュージックファンなら、タイトルに「オリジナル・サウンド・オブ」なんてついてる時点でピンとくるかと思いますが、今や亡きアポロンから発売された、グラディウス&沙羅曼陀の全曲集です。 アポロンといえば、昔ドラクエのアルバムを発売してたことでご存知の方も多いかと思いますが、それ以前はこのようにコナミの作品などを1000円程度(細かい値段忘れた^^;)のカセットテープで販売していたのです。 このCDは、その時期のテープで販売された4タイトルをまとめたものと思われます。(というか、実は当時このアルバムが出てることを知らず、知ったのはつい数年前だったり)

で、グラディウスと沙羅曼陀は、最近コナミレーベルから新録の全曲集が出てますが、このアルバムでは、(前述のシングル以外では)他では聴けない、MSX版「グラディウス2」(「II」ではない)と、ファミコン版(!)のグラディウスの曲が収録されてます。(実は、グラディウス2は、アポロン以外にコナミが攻略本か何かとテープがセットとなった「MSX遊」(だっけな? タイトル忘れた)というものを昔販売していたそうです。 流石にコレは私も持ってません…) 特に、グラディウス2は私の思い出のタイトルということもあり、散々聴きまくって音質が劣化しまくったカセットテープ版は持っているものの、CD音質で再度めぐり合おうとは! というわけで、プレミアがついて若干高かったものの、それでも4K円程度だったので即決即購入!!

まぁ、グラディウスと沙羅曼陀は散々聴いたので、個人的に思いいれのある「グラディウス2」の感想を。
いやぁ、このソフトはもう思い入れありまくりまくりな1本です。 なんせ、初めて自分の小遣いで買った定価なMSXソフトであり(定価じゃないソフトは、その前にガルフォースフリッキーを買ったことがありました)、13時間かけてコンティニューの末クリアしたSTGでもあり(ちなみに、初めてクリアしたのはガルフォースだったような)、初めて小遣いで買ったゲームミュージックテープでもあったんです。(ちなみに、初めて買ったゲームミュージックのCDは「ゴーファーの野望エピソード2」) 私個人としては、初めてSCC対応として発売されたソフトにして、コナミSCC対応ソフトの中で最高峰のデキだと思ってます。 何かのインタビューで読んだ気がしますが、このソフトはグラディウスシリーズとしては初のMSXオリジナルタイトルにしてSCC初対応ということで、開発陣も相当気合が入ってたようです。 当時のサウンド担当を総動員して、作成した中から曲を厳選して収録した、ということだったような。 とにかく、SCC音源の存在感が凄い! アーケード版のグラディウスナムコPSGなどは、波形メモリを積んでいるものの、まだまだPSGの域を出ないものでした。 しかし、SCCで奏でられたこれらの音楽は、PSGともFM音源とも全く異なるゴージャスかつスペーシーな音でした。 グラ2のテープを手に入れてからというもの、毎日のように聴きまくっていたのを思い出します。 もちろん、音色だけではなく音楽自体も素晴らしい! 特に印象に残っている曲を挙げると、壮大なグラディウスサーガを静かに語りつつ、ヴェノムの陰謀、そして立ち向かうジェイムス=バートンの意志を描いた重厚なオープニングテーマ(怪しいメロディと共にヴェノムの顔が徐々に浮かんでくるあのシーンは画面とメロディがシンクロしていて凄く印象的でした)、シンセティックな音楽と画面のミスマッチが未来的な植物惑星、古代神殿の荘厳さを感じさせる円舞曲仕立てとなっていて、メロディが非常に美しい古代惑星、勇壮なメロディの裏で炎に急かされるように激しく動くアルペジオが特徴的な炎の惑星、神秘的なメロディの生命惑星、最後まで行ったかに見えたプレイヤーを恐怖のどん底に叩き落す帰還のテーマ、通常面とは異なりハイテンションなエキストラステージ、MSXユーザならば沙羅曼陀で劇的な再会を果たす(苦笑)ヴェノム艦…そして、全てが終わったとき、プレイヤーを祝福するエンディングテーマ。 挙げるとキリが無いですが、これらの曲を聴いてると、今でもこれらの場面を思い出します。 SCCと同様に波形メモリを積んだ音源は他機種でいくつかありますが、グラディウス2のような音色を奏でているものは、MSXコナミのソフト以外に思い当たりません。 その唯一無比の音楽を味わえるという意味では、非常に貴重なアルバムだと思います。(ただ1点残念なことがありまして、グラディウス2に関してはほとんどが1ループカットアウト(ショット音SEが曲の切れ目)となっているのです。 カセットテープ版ではしっかり2ループ入ってたので、これは恐らく後にCDシングルで再販された際、CDシングルの収録時間に入りきらなかった為にこのような編集がなされたものと思います。 …でもCDアルバムだったら74分は入るはずなので、ちゃんと2ループ入れてくれよ!というのが正直なところ)

ちなみに、昔日記にも書いたとおり、アポロンのこの時期に販売されたゲームミュージックシングル・アルバムは、アポロン独自のエフェクトが強くかかっています。 これらのエフェクトは、時としてオリジナル独特の音色をエフェクト干渉によって捻じ曲げてしまう恐れがあり、最近発売されている80年代のゲームミュージックアルバム(復刻版を除く)は、ほとんど原音忠実でエフェクトをカットして収録する傾向にあるようです。 確かに、それはそれで資料的には非常に価値のあるものだとは思いますが、今は様々な技術(と怪しげなファイル)によって、これらの楽曲は実機もしくは音源エミュレータ等でオリジナルとほぼ同じ状態で聴くことができます。 ましてや、私なんかはグラディウス2とかは実機から録音できる環境にあるにも関わらず、何故このアルバムを買ったのか? それは、やはり前述の「アポロン独自のエフェクト」によるところが大きいと思います。 確かに、エフェクトは時として邪魔になることもあります。 特に、沙羅曼陀なんかはオリジナルのステレオパンを無視し、モノラル録音を行った上で、新たにエフェクトをかけるという手法を採っています。(これは当時非難轟々だったのを記憶してます) …それでも、この時代のアルバムを聴いていると、当時のエンジニアが、まだ表現力の乏しいゲームミュージックを1つの作品として昇華しようと試行錯誤して色々と試した苦労が偲ばれるとともに、エフェクトや曲編集も含めて当時のことを思い出すという意味では、たまにはこういうエフェクト入りのアルバムを聴いて当時のことに思いを馳せるのも一興かと思います。

…ちなみに、沙羅曼陀では、例の郷ひろみ(風)ナレーションもしっかり入ってました。(w

あと、実はこれ以外に別の店で、このCDの元ネタでもある「グラディウス2」のCDシングルが売ってました! もはや幻のCDなだけに、売ってるってだけでも奇跡ですが、その値段を観て2度びっくり! 29,800円ですよ! にまんきゅうせんはっぴゃくえん!!! 元値が確か1000円くらいなので、30倍のプレミア価格!! 間違いなく、その店で売ってる中で最も高値がついてたCDでした。 そういう意味では、このアルバムを4千円で買えたってのはラッキーだったのかも。

…今思い出した。 アーケード版のグラディウスって、もう1曲ありませんでしたっけ?? どこで聴いたのか忘れましたが、未使用曲だかネームエントリーだかの曲があった気が。 どこで聴いたんだっけ…カセットシングル版のB面か何かかな? それともMDXファイルか何かかな?? 忘れた…(^^;)