Chiptune Japan tour 2004 Tokyo

http://www.blasterhead.com/~chiptune-jp/

というわけで、前々から書いてた、Chiptuneイベントに行って参りました。
出演者が多くて全て把握できてませんが、特に印象に残った方について以下感想をば。(敬称略)



他の方々がほとんどPSG系音源だったのに対して、FM音源中心と思われるサウンドを聴かせて戴きました。 FMのディストーション音色やオルガン音色が細かいパーツに分離され、再構築されて迫ってくるそのサウンドはまさに圧巻! 元々私の好みの方向性でもあり、いきなりテンション上がりまくりでした。(^^) 実は、その直前まではお客さんも雰囲気が掴めない感じで、ほとんど黙って聴いているだけという気まずい雰囲気が漂ってたんですが(^^;)、ここで一気にお客さんのテンションが上がった感じでした。
…でも、実は何に一番驚いたかって、Hally氏がノッポさん激似ってのが!(ぉ


baddy氏オススメのアーティストということで、密かに注目してたんですが、流石baddy氏が目をつけただけあります。 GAMEBOY音源がベースながらも、フィルタを駆使して様々な表情を見せてくれました。 また、この方は音作りが凄く上手で、通常のエレクトロっぽいトーンからショートノイズなどを駆使した激しい音まで様々な音が洪水のように流れる様は、まるでSEのおもちゃ箱といった感じでした。 全アーティスト中、聴いていて一番自然に引き込まれた(身体が動いた)のがこの方だったように思います。


なんと遥かスウェーデンからのゲストミュージシャンです。 とにかく背が高い!(w 天井に頭が届くのでは、と思われる長身&その端整なマスクに、心なしか女性オーディエンスが最前列に集まってきたような…(w 曲は以前VORC通販で購入していたCDを聴いていて結構良いことは知ってたんですが、ライヴアクトではその恵まれた外見で、何をやってもサマになるといった感じ。 いや、本当に身体全体でリズムを取る姿、髪をかき上げるしぐさなど、男の私から見てもカッコイイ! そんなわけで、会場の盛り上がりも絶好調なのでした。 しかし、ご本人はかなり体力を消耗してるらしく、最後のあたりではヘッドセットからゼェゼェいう息遣いが聴こえてきてかなり大変そうだったのが印象的。(^^;) ちなみに、彼は「VirturFighter」のロゴTシャツを着てたんですが、実は後ろ側にカタカナで「バーチャファイター4」とMSゴシックで書いてあったのが海外で売ってる胡散臭いTシャツって感じがしてミョーに印象的でした。(ぉ<並木学(さんたるる)>
恐らく、今回のイベントに際して半分くらいはこの方目当てだったのでは?というくらい、相当盛り上がってました。 流石にDJは初体験の為、CDにあらかじめ曲を入れておいて、並木氏はブースでリズムを採っているだけなのですが、観客の異様な盛り上がりに合わせるように、白目をむきつつ激しく頭を振っているその姿は強烈な印象を残しました。(^^;) 曲は、さんたるる氏の代表曲「怒首領蜂大往生」「湾岸戦争」「バトルガレッガ」のメドレーで、実際にFM音源(もしくはFM音色サンプリング)を使っているものの、リズムパートがかなり強烈な為、他の出演者に比べると「Chiptune」色が薄いという感はありましたが、いい曲なのでどーでも良いです。(w 最後に、氏の最新作「でじこミュニケーション2」(http://www.broccoli.co.jp/dejiko/digicomu2/index.html)のBGMを流しつつ、宣伝をしておしまい…だったんですが、氏の言葉に「MMLとか波形メモリとか好きな人は是非買ってください」って言葉が! ていうか、未だにMMLですか!! なんかミョーな親近感が沸いた一言なのでした。(w<細井聡司(ほそQ)>
ソニックウイングスシリーズのBGM担当として知られるほそQ氏。 個人的には、そのファンキー&ちょっとヤンキーな風貌に目が釘付けに。(w 曲は、ソニックウイングス3の楽曲(ジャングルなやつ)を、持参していたMacからガシガシ流しておられました。 こちらもリズム隊が強いのでChiptuneっぽくないですが、曲がカッコイイので(以下略) 演奏中も非常に楽しそう&お客さんを盛り上げようとしていて、明るい方でとても好感が持てました。(^^) 個人的には、ソニックウイングスはどちらかというと「2」(変拍子)のほうが好きだったんですが、今回フロアで大音量で聴いて「3」も好きになりました。


今回のイベントで最も異色なユニット。 女性ヴォーカル&男性2人の三人組ユニットで、音はまさにファミコンの音ながらも、曲調はクラブミュージックよりもポップス寄り。 ただ、ファミコンゲームミュージックともちょっと違う感じで、テクノポップっぽいアレンジでした。 で、この方々はライヴパフォーマンスを非常に意識しているようで、両脇の男性二人はそれぞれファミリーベーシックのキーボードを叩いたり、ファミコンのIIコンマイクで台詞を喋ったり、はたまたカシオトーンでソロを弾いたりなんかしていてなかなか楽しかったです。(^^) ちなみに、ステージ上に用意してたファミコンカシオトーン(ついでに言うとノートPCも)は、全て電源以外の線が繋がってなかったのは極秘。(ぉ


今回のイベントで忘れてはならないのは彼の存在だったように思えます。 主に、ライヴアクトの曲間に色々な曲をかけていたのですが、その選曲が! ゴーファーの野望EPISODE2だったり、FAMICOMPO(http://nesmusic.zophar.net/)優勝のChibitech氏の製作したデータ「Miko Miko Nurse」だったり、ほそQ氏の後は「くらくら音速娘」だったり。(w 更には、ご自身でGAMEBOYを操ってライヴ演奏されたりもしてました。 イベント自体は若干押し気味の進行だったにも関わらず、ここでうまいこと時間調整が入って、結局はほぼ予定通りに進んでたようでした。


ざっとこんな感じですが、最後にイベント全体としての感想をば。
とにかく、圧倒的なテンションの高さで、アドレナリンやドーパミンが止まらないイベントでした。(ぉ こういう矩形波音楽が大音量で楽しめるというだけでも十分楽しいのですが、個人的には、「Chiptuneの色々な方向性」を楽しむことができたのは非常に収穫でした。 私なんかは、いわゆる「ベーマガVGM世代」なので、メロディアスな曲をMMLで打ち込むという形式が多いのですが、今回のイベントは、(特にGAMEBOYミュージシャンは)メロディを鳴らすための音色としてではなく「SEの集合体としての音楽」という捉え方をしていたのがかなり新鮮に感じました。(「Chiptune」という言葉は、「1チップ音源を鳴らす」という以外に「音の欠片(chip)を集めて作る音楽」という意味が含まれるのではないかということに気づきました) あと、これらの音源でもクラブミュージックとして耐え得るポテンシャルを持っているという事実にも驚きでした。 こういう(クラブミュージックとしての)Chiptune音楽自体はCDなどを通じて聴いたことがあり、正直なところ、メロディアスとは云い難いその音楽は私の好みとはちょっと離れているように感じましたが、実際にフロアで聴くと、CDで聴くのとは全く違う感覚に驚きました。 同じパターンの繰り返しながらもまるで生き物のようにその姿をリアルタイムで変えていく音楽! 大音量で内蔵に響く三角波(あるいはデューティ比12.5%矩形波か?)!! これらの音楽に導かれるようにトランスしていく自分!!!(w こんな体験は、家で音楽を打ち込んだり聴いてるだけでは感じ得ない貴重な体験だったと思います。 なんだか、こういう音楽に目覚めていく自分が怖い…(w

あと、このイベントに関しては、主にGAMEBOY音楽に若干偏ってた感がありましたが、実は(私の打ち込み人生の原点である)MSXでも十分出来るんじゃないのか??ということに気づいてしまいました。 確かにGAMEBOYは、こういう音楽用専用のシーケンサが揃っていたり、携帯性に優れているので重宝するのは確かだと思いますが(あとは、その独特な音色によるところが大きいんでしょうけど)、MSXだったら全スペック公開されていてユーザも自由にソフトを作れるので、その気になればこういうソフトを自作して、ライヴアクトでも十分使えるんじゃないのかなー、なんて思った。 そのうち、SCCのループシーケンスを鳴らしつつリアルタイムで変調をかけられるソフトとかをちょっと作ってみたくなりました。 …例によって、いつ出来るかまるでわかりませんけど。(^^;) いつの日か、MSX片手にDJブースでプレイできたら楽しいですよね。(^^)