ドコモ未来ミュージアムから見えない未来

http://www.docomo-mirai.com/
ちょっと思うところあってマジメなお話を。
今朝の読売朝刊の広告に、「ドコモ未来ミュージアム」というコンテストの入選作品が掲載されておりました。 このコンテストは、要するに「未来のくらしをテーマにした絵のコンテスト」なんですが、入選作品の絵を観て皆さんはどう感じますか? 私は正直、ここに掲載されている絵からは(全てがそうではありませんが、全体的には)「明るい未来」なんてものは想像できません。(前衛的だとは思うけどさ) 色彩が全体的に暗すぎます。 「渋い」色彩だとか、暗い色でも暖色系であれば良い雰囲気になると思うんですけど、地味とかそういう話ではなく「暗闇」というのが非常に印象に残るんです。

正直、これらの絵を観て背筋が凍る思いがしました。 なんかワイドショーに出てくるような安っぽいコメンテイターみたいな意見っぽくて申し訳ないですが、「今の子供は未来に何の希望も抱いていないのではないのか??」という疑問さえ浮かんできます。 しかし、それ以上に「こういう作品ばかり選んでしまった、いわゆる『オトナ』は、子供が未来に希望を抱けるような環境を作ろうと努力しているのだろうか?」といった疑念を感じずにはいられません。 これが今の私の正直な気持ち。
我々の世代は、「未来」という言葉には明るい希望を抱いていました。 いわゆる手塚治虫の漫画に出てくるような、人の心を持ったロボットが出てきて世界を平和に導いたりだとか。 もちろん、現実の世界はそうはいきませんでした。 なんとか人型ロボットの開発まではできているようですが、鉄腕アトムのように生き生きと話したり心を持ったようなものが開発されるのは、私が生きている間には無理だと思います。 むしろ、現実には閉塞感が漂っていて、逆に未来に希望が持てなくなっている一面があるのも事実だと思います。 私だって、30年も生きてくれば社会の理不尽な現実に直面することも何度もあるわけです。
…でも、仮にも「未来ミュージアム」なんて名前を冠したコンテストに、このような作品ばかりを選んでしまうオトナの心境が理解できません。 「未来」は新しい世代が作るものです。 我々の世代の「現実」をステレオタイプに押し付けるだけでは、「未来」に希望なんて持てるわきゃありません。 確かに、我々の世代が想像していた未来は、今現在の状況から見れば「虚構」となってしまいました。 しかし、それは幼い頃に描いた未来を実現する為の努力が、我々とその親に足りなかったのではないかと思うのです。 ましてや、子供に対して明るい未来を想像することさえ奪ってしまう権利は我々には無いはずです。
私もいつの日か結婚して子供ができる日が来るのかもしれませんが(来ないかもしれないけど^^;)、自分の子供には大人の現実や論理だけを押し付けるだけではなく、豊かな感受性を持って育って欲しい&そうなるように努力したいとつくづく思った三十路の今日この頃なのです。

…うーむ、三十路になると考え方もちょっと変わるのかなぁ…柄に合わない文章を書いてしまった気がする。(ぉ