LOVE LETTERS

http://www.parco-play.com/loveletters/
というのを観てきました。(一人で…T_T)
コレは、長年やっている朗読劇で、毎回違った男女一組が出演します。 今回は篠原ともえ嬢が出るということで、ちょっと興味があったので行ってみました。
実は、今回あまり予備知識が無いままに行ったのです…が、想像していたのとあまりに違っていたので、最初はなかなか入り込めませんでした。
まず、登場してきた篠原ともえ嬢の格好に驚き! 多分、役柄に合わせた格好なんでしょうけど…ボサボサのソバージュに毛先は真っ赤、金のハイヒールを履いてたりなんかして、ハッキリ云って最初は魔女の役かと思いましたよ。(^^;) 最近出た舞台なんかを見ると、前回の「ピッピ」もそうだし、なんか今までと違う方向でリミッタを振り切った役が多い気がするのは気のせいでしょうか…??(^^;)
で、二人が椅子に座り、いよいよ本編開始。 どうやらこの二人は幼なじみという設定で、互いに相手に手紙を書く(その文面を読む)ということらしい。 …でも、どうも感情移入できないなぁ。 コレってどうも原作が海外の作品のようで、文中に描かれる情景や例え、あるいは行動なんかが日本人の感覚ではイマイチよくわからないんですよ。 普段から海外のドラマなんかをよく観てて、こういう情景に慣れている人ならすんなり入るんでしょうけど…うーむ。
あと、コレって本当に手紙を読むだけの舞台なので、手紙に書かれている部分しか表現されないのがどうもなぁ… 例えば、「会いたい」という文章の次が「昨日は楽しかった」と、イキナリ場面が移っちゃうわけですよ。 「じゃぁ、その『楽しかった』部分は??」といった感じで… また、手紙の間に『間』がほとんど無いのも気になりました。 実際問題、これだけ長い手紙のやりとりに間を入れると時間が1.5倍くらいに伸びちゃうのかもしれませんけど、実際には手紙というメディアなら、手紙を待つときや封を開けるときのドキドキワクワクした気持ちがあるわけじゃないですか。 そういう部分を表現する手段はあるはずなのに、そこまでスッパリと切られちゃうと、なんか情緒が無いなぁ…と思った。 この舞台、これだけ長く続いてる(15年も続いてるそうな)ということは、それだけ毎回見ているようなファンも多いんでしょうけど、ちょっと人を選ぶのかなぁ、と。 私には微妙に合わなかったのかもしれません。
ただ、全然ダメだったかというとそうではなく、篠原ともえ嬢の朗読は期待どおりで良かったと思います。(^^) 元々感情を割と表に出すのが上手いので、文章から微妙な感情が滲み出ているのは良かったです。 ただ、最初のうちは「ちょっといつもより冷たい感じがするなぁ」と思ってました。 もしかしてアレの影響か??なんて勘ぐったりしたんですが、後半になってより感情がこもってくると、ハートフルな感じが出てきました。 もしかして、ここまで感情の変化を計算して声に表していたんでしょうか?? 気になったのは、共演の男性のほう。 演じているキャラクター上、あまり全面に感情を出さない感じではあったものの、かなり棒読みな部分があったり、終盤になると何度も云い間違えたり明らかにイントネーションが変だったのがちょっと興ざめかも。 コレはキャラを演じてたんではなくて長丁場でリミッタが下がってきたのかなぁ、と思った。 それに対して、終盤になるにつれてともえ嬢はどんどんエンジンがかかってきて、感情の入れ方が半端じゃない! しかも、朗読している時や相手の手紙の朗読を聞いているの表情にまで感情が現れてる。 今回に関しては、ともえ嬢のほうが役者が3枚も4枚も上手だと言わざるを得ません。 そんなわけで、最後の15分くらいはどっぷり感情移入ができました。
私個人としては、この舞台の進行や演出方法、シナリオにはイマイチ合わなかったけど、ともえ嬢が健在なことを確認できただけでも良かったと思います。 シナリオを日本人バージョンに直して、演出に『間』をうまく使えば、もっと共感できるものになるのになぁ…と思った舞台でした。