富沢ひとし/エイリアン9 2,3巻

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4253146082/
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昨日寝る前に読んでみました。
1巻の頃は、大谷ゆりの泣き虫っぷりを温かい目で見守る感じで、まだほのぼのとした雰囲気があったのですが…2巻以降は状況が一変します。 1巻で張っていた伏線や謎がどんどん加速していき、大変な事に。 最初は、人間対エイリアンというわかりやすい構図だと思っていたのですが、そう単純な物語ではない様子。 エイリアンに「共生」されてしまった対策係のメンバーを助けた先生も実は…といった感じで、最終話のタイトル「普通だよ」が暗示するとおり、エイリアンと共生するこの世界では、様々な思惑が絡みあって、何が「普通」なのか?「普通」とは何を指すのか??…と、複雑な感情を抱えたまま終わったような印象があります。
この漫画の中で出てくるキーワードとして「共生」という言葉があります。 エイリアン対策係のメンバーが身に付けていた「ボウグ」が、「人間の老廃物を食べる代わりに宿主に迫るあらゆる危機を回避する」という共生を行っていますが、実は人間同士も同じで、互いに(この漫画で云うところの)「共生」しあって生きているわけです。 エイリアン対策係の3人も一緒に行動していますが、互いに助け合っている反面、表に出せない心の闇を持っていて、そのバランスが崩れたときにエイリアンに付け込まれて…といった展開になっていきます。 エイリアンというものに置き換えてはいますが、実際には人間界でも同じようなもんなんです、きっと。 …うーん、深いなぁ。 絵に釣られて買ったコミックだったので、正直なめてました。 参った。 これは名作です。
続編?の「エミュレイターズ」も購入してるので、こちらも読むのが楽しみです。(^^)