ふたつのスピカ/柳沼 行

というわけで、最近(遅ればせながら)ハマっているのがこの漫画です。
以前から、近所の本屋で「オススメ」とか書かれていて気になってたんですが、宮崎に戻ったときにBOOKOFFで売ってたので、とりあえず2冊買って帰りの機内で読んで…モロにハマりました。(涙が止まらなかったのの半分はコレのせいなのかもしれない) 以後、こちらに戻ってきて3冊を新品で購入、更に先ほど残りの5冊+ついつい横に売ってたイラストブックまで購入してしまうほどのハマりようです。 こんなに続きが読みたいって思った漫画は、去年ハマった「放浪息子」以来ですかね。(あと、同じ作者(志村貴子)の「青い花」も早く続きが読みたい)

この漫画のストーリーの基本は、主人公の少女「アスミ」が幼い頃からの夢だった「ロケットの運転手」(※宇宙飛行士のことらしい)を目指して頑張る…といったものなんですが、実はこの物語のキーとなっているのが、その十数年前に起きた国産有人宇宙探査ロケット「獅子号」の墜落事故。 主人公を含む主要なキャラクターは、この「獅子号」の墜落による「死」と深い関わりを持っており、物語の途中で徐々にその真相が明らかになっていきます。 それにより、それぞれのキャラクターが背負っているものが見えてくるにつれ、その存在に深みが増してくるわけです。
こうやって書くと、救いようの無い切ないストーリーのような感じがしますが、そのような悲壮感をあまり感じさせないのは、主人公の「アスミ」が純粋でひたむきであるが故なのかもしれません。 最初にこの作品の絵を見たとき「ちょっと幼い感じがするかも」と思いましたが、逆にこの絵柄だからこそ、アスミなどのキャラクターの純粋さが際立って見えるのかもしれません。 そのひたむきさは、まさにこの物語のタイトルになっている、まばゆいばかりに美しく光り輝く星「スピカ」そのものなんでしょう…きっと。

そういえば、小学生の頃は色々なものに興味を持っていて、その中で一時期「星」に興味を持っていた時期があったことを思い出しました。 親に天体望遠鏡を買ってもらって、星が出ているときは必死に望遠鏡で覗いていたりとかしてましたっけ。 いつしか興味は別のことに移っていき、今や本職はロジックを扱うような狭い範囲で頭を使う職業になってしまいました。 でも、星空ってロジックなんかで割り切れない魅力があって、たまに星空を眺めてると心がワクワクしてくるんですよね。 流石に宇宙飛行士は無理だと思うけど(^^;)、死ぬまでに一度くらいは宇宙に行ってそこから星とか地球とかを見てみたいなぁ。
…なぁんて、大人になって忘れかけていた純粋な夢を思い出させてくれる漫画だと思いました。 とりあえず、残りの5冊もこれから徐々に読んでいきたいと思います。 皆さんも是非。(^^)