EVIL HEART完結編 / 武富智

http://snaman.twop.hacca.jp/
(Amazon) EVIL HEART 完結編 上 (コミック) / 武富 智 (著)


(Amazon) EVIL HEART 完結編 下 (コミック) / 武富 智 (著)


前回の日記でちょっと触れた「EVIL HEART 完結編」なんですが、1/19発売となっていたものの、既に書店に並んでました。(千葉・茨城の書店を数件まわったところ、どこでも置いていたようなので、恐らく関東近辺では既に発売されているかと) というわけで、早速買ってきて、先ほど読了しました。
…号泣しました。
漫画を読んでこんなに泣いたのって初めてかもしれない、というくらい。 間違っても電車の中でうっかり流して読めるものではないです。 …っても、この巻だけ読むのでは多分意味がわからないと思いますので、読んでない方は是非1巻〜3巻&氣編を読了してから読むことをオススメします。
ネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けませんが、「完結編」では、今まで物語の背景にあった複雑な家族関係に大きな展開が訪れ、母親・兄(滋)・姉(真知子)、そして主人公の梅…それぞれの思いと葛藤を軸に話が展開していきます。(最後の最後にオマケと思われていたあのエピソードにまで決着がついたのはちょっと驚きましたけど^^;) それは単なる予定調和のハッピーエンドor丸投げのアンハッピーエンドではありません。 上下巻に渡って(梅に関わる人物も含め)それぞれの心情に鋭く、深く踏み込んでいきます。 とにかく、1コマ1コマから目が離せない! 武富智先生の絵柄は、実はこの「EVIL HEART」で大きく変わった(特に「目」の描き方)と思ってるんですが、今作「完結編」では更に『深化』していると感じました。 もはや、台詞を語らずともコマの絵が全てを語るくらい…それくらいの気合いを感じました。
YJ本誌で打ち切りになったときは、正直凄く悔しかった。 せっかくこれからという時に、ここで物語が終わってしまうのか!と。 でも、結果的にはその後の書き下ろしの3冊で、恐らく作者の武富智先生の描きたいことはほぼベストな形で出せたんじゃないでしょうか。 皮肉なことですが、打ち切りになったことで、最終的には武富先生にも読者にも納得のいく形で完結できた…と。 でも、こういう形に持っていくのはあまり前例が無いような気がします。(単行本化にエピソードが1〜2本加えられて完結、というパターンはよく見かけますが…) ここまで漕ぎ着けることができたのは、やはり武富先生のこの作品への想いの賜物なのではないかと。
月並みな言葉かもしれませんが、今はこの漫画に出会えてよかった!と、心からそう思います。 「完結編」を待っていた数年間は無駄ではありませんでした。 今までEVIL HEART」の読者だった方なら、絶対にこの「完結編」まで見ておくべき!!
最後に…EVIL HEART」をちゃんと完結まで持っていった武富先生とYJスタッフの皆様には心から感謝します。 ありがとうございました!!