ファミコンに「君をのせて」を唄わせてみた。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm10453375
D
http://www.youtube.com/watch?v=Ex4_-JwENn0

というわけで、「ふぁミク」を使った新作をニコ動とYouTubeにアップしました! この曲は、前のエントリで紹介した「FMPSG013 -Blue Horizon-」に実機演奏バージョンで収録してます!!
恐らく、ほとんどの方がご存知なのではないかと思うのですが(今まで私が作った曲の中で一番知名度が高い…??)、映画「天空の城 ラピュタ」の主題歌で、まさにFMPSG013のテーマである「Blue Horizon」にちなんで作ったものです。(…が、作る直前にTappyさんから「風の谷のナウシカ」が投稿されたので、内心「しまった!ネタかぶった!!」とか思った^-^;) 「『Blue Horizon』といえば、もーコレしかないやろ!!」みたいな。
同じく「ふぁミク」を使った前作「We Are The World」は、「やりすぎて聴きづらい」というコメントを戴きまして(これも想定の範囲内でしたけど^^;)、今回は過剰な表現をできるだけ避けつつも、丁寧かつアクセントとなる部分も作るよう、色々と考えて作りました。(というか、原曲が素直なので、あんまり変なアレンジを施すと大惨事が予想されるので…^^;) ヴォーカル表現は、できるだけ原曲のニュアンスを踏襲しつつ、聴きやすく丁寧な演奏を心がけました。
あと、この曲はイントロがやたらと長いので、FDSファミコンディスクシステム音源)パートにはヴォーカルだけでなくその他インストも色々とやってもらいました。(具体的には、「ベル」「ストリングス」「オーボエ」「マリンバ」「スチールドラム」「ブラス」あたり) これらの音色は、私が普段波形メモリで独自音色を作るときの手法(単純波形を倍音合成)ではなく、実際の楽器の音などをサンプリングして作りました…が、コレがなかなかうまくいかない! そこで、一部の音色(ストリングス、ブラス)に関しては、FM音源(PC98のOPNA)で音色を作り、それをFDSに落とし込んだんですが…予想通り、FM音色とFDSの相性はバッチリ!でした。(^^) 普通の楽器の場合、色々な倍音が入ったり残響音などが混ざってしまう為、一定した波形がなかなか取れず、波形メモリ(FDS)に落とし込んでもなかなか思い通りの音が鳴りません。 しかし、FM音源であれば(やたらとフィードバックや変調をかけない限り)音色の波形がかなり安定しているので、その状態で切り出した波形はFDSでもかなり原音に忠実でした。
よく、「FDS=FM音源」と間違われることが多いですが(拙者もかなり最近までそう信じ込んでました…ただ、ハードウェア変調機能?があるらしいので、ある意味それも正しいそうなのですが…)、これは恐らくNintendoのFDS標準音色(「ゼルダの伝説」の鐘の音や柔らかなリードシンセ(ストリングス?)っぽい音など)がFM音源くさいのもその理由の1つだと思います。 実際にこれらの音色波形を見たんですが、コレは通常の波形メモリの音色の作り方じゃありません。 波形が非常に複雑なので、単純な矩形波や鋸波の合成では絶対出来ない(はず)。 なので、その波形を見たとき、FDSの標準音色は、別のFMシンセで作った音色をコンバートして鳴らしているのではないか?」と考えていたのですが、今回それを確信しました。
そういえば、スーパーファミコン音源も、実はFDS音源の思想の延長にあるんじゃないかなー、と密かに思ってたり。 SFC音源は詳しいスペックを知らないのですが、結局は「サンプル波長が増えたFDS」なのかなぁ…と。 んで、この話は「ふぁミク」(の元となるもの)を作る際のヒントにもなってたりします。 昔、どこかの雑誌でSFC音源のことを「メモリは少ないですが、これも立派なサンプラーの一種です」みたいに書いてありまして。 SFCのように短いサンプリング波形を繰り返すのがサンプラーなら、FDSのような波形メモリはそれを極限まで小さくしたものなのでは? だとすれば、これをうまく使えば、小さなメモリでも人間の声を再現できるのでは…?って感じで。 …ほら、全部つながったw そうです。 FDS音源ってスーファミクロ」なんですよ、きっと。(うわー、面白くねぇT_T)
すんません…技術的な話が暴走しすぎたのでちょっと話題を変えます。 この曲、個人的に物凄く思いいれのある曲なんですよ。 最初に聴いたのは、映画…ではなく、高校の頃にコンピュータ部の友人がCM-32L(Rolandの古のMIDIモジュール。個人的にDoctorSynthの音が大好き)で作った「君をのせて」を聴いたのが最初でした。 この頃から「イイ曲だなぁ」とは思っていたものの、その後映画を見る機会もサントラを聴く機会も無く、そのまま高校を卒業。 んで、大学に入って暫く経ったある日、ホームシックだか何だかわかりませんが、急に物凄く寂しくなりまして。(その頃は家にテレビも無く、CDラジカセだけで過ごしてました) そんな折、ふと立ち寄ったCDショップにあったのが、「天空の城 ラピュタ」の映画版サウンドトラックだったんですね。 導かれるようにして即買いし、帰って聴いてみました。 大号泣。(T〜T) 特に、「君をのせて」のメロをモチーフとした楽曲群の、心の隙間に沁みる優しくも哀しい旋律…作曲者の久石譲氏は他にも多数の名曲がありますが、個人的にラピュタ」が一番グッと来るのは、そのへんの思い出も込みで、なのかも。 んで、ひとしきり泣いた後、最後に「君をのせて」が来るわけです。 モチーフはその前のトラックで何度か聴いたものと同じ旋律ですが、こちらは前向きなんですね。 この曲につけられた歌詞がまたイイ! この曲を聴き終わった後、それまで感じていた漠然とした寂しさや不安が吹き飛びました。 なんだか希望が湧いてくるような…そんな素敵な歌だと思います。 原曲を知っている人はもちろん、知らない人にもその気持ちが伝わるように、頑張って丁寧に作りました。(実は、ヴォーカルパートを打ち込みながら何度も泣いてしまった…歳をとると涙腺が緩くなり過ぎて困る…;_;)
そんなわけで、是非聴いてみてください。(^^)
もう一度書きますが、この曲は実機収録バージョンで(We Are The Worldと一緒に)「FMPSG013 -Blue Horizon-」に収録されますので、こちらも是非!