1チップMSXにまつわるお話

http://www.zakugiri.com/MT/archives/c03msx/index.html
いよいよ予約開始になった1チップMSXですが、現時点で1350台程度の予約があるものの、5000台へは程遠いといった状況です。 正直なところ、現時点では(MSX WORLD でおっしゃってた西和彦氏の言葉が現実とならない限り)商品化は限りなく雲行きが怪しい感じです。 というか、明らかに負けムードが漂ってる気がするのは私だけでしょうか?(T_T)

そんな折、ZAKUGIRI!で1チップMSXに関する考察が書かれていますのでご紹介。
やはり素人目からすると、19,800円という価格がどうしても『高く』思えてしまいます。 実際、MSX1相当で19,800円という値段だとすれば、カシオのMSX(当時の定価)と同じ値段です。 20年くらい前と同じ性能のものが今も同じ値段とすれば、それは納得がいかないでしょう。 中古でMSX本体を買ったほうが遥かに安上がりです。
しかし、1チップMSXの真価は単純にMSX実機を再現することではないのです。 むしろ、ユーザが自由にシステムの書き換えができる部分にあるのです。
ただ、上記サイトでは、この部分に関して疑問点を挙げています。 それは、1チップMSXの初期販売時にFPGA書き換えの為のケーブルが付属していない、という事です。 ただ、これに関しては、あちこちで明言されているとおり、後日「MSX2へのバージョンアップキット」という形で販売される、という事になっています。 MSXAの中の人(^^;)に伺った話ですと、MSX2バージョンアップキットは、「FPGAの書き換えを実感してもらう為の初心者向けキット」という側面もあるそうです。 ただ、西和彦氏の基調講演を聴いた感じですと、1チップMSXは、ハードウェアの動作やVHDLによる作成を理解する為のものと位置付けてる節があって(途中寝てしまったので違ってたらスミマセン^^;)、1チップMSXの販売ページにもある通り、個人向けよりも教育機関へ教材として販売するような戦略も見受けられます。 そうなると、ただ「MSX2システムにバージョンアップ」するだけのキットではダメで、「実際にMSXシステムを改変する為の方法」も明記されていなければ意味が無いように思えます。 VHDLはいじった事が無いのでどういう状況なのかはわかりませんが、仮にVHDLのリファレンスマニュアル及び開発環境がフリーで入手(開発環境はフリーと聞いた記憶が…)もしくはバージョンアップキットに添付されるのであれば、それ以外に実際にMSXシステムを改変(VHDLのソースを変更)し、FPGAに転送して実行するまでを、ツールの使い方も含めて図解入りの判りやすいマニュアルにして添付する必要があるように思えます。 例えば、それこそZAKUGIRI!で書かれているような「スプライトの横並び上限数を増やす」というのをサンプルにしてみるとか。 こういうのは「わかってる人」には無用の長物かもしれませんが、むしろ「VHDL技術者の裾野を広げる」もしくは「ユーザが気軽に『俺MSX』を作れる」という目的を達する為には必須のものではないかと思います。 もっと云えば、このマニュアルこそが「初心者と技術者の掛け橋」になり得るもので、コレが無いとこのプロジェクトは本来の目的としての成功はあり得ないのではないか、とさえ思います。 最初から出来る人には意外と見えないものですが、初心者は意外なところが落とし穴になったりします。 その落とし穴を塞ぐ為のマニュアルは絶対に必要です。
最後にもう一度…価格については、現時点でこの性能を考えると、わかってる人にとっては「安い」価格なんだそうです。 …でも、やっぱり素人目では「高い」って思っちゃうよねぇ。(^^;) 十分努力した結果がこの価格なんでしょうけど、やはりなんとかして9,800円くらいまでには努力して欲しかった。 でないと、一般の人への訴求力はどうしても低くなってしまうように思えます。 そもそも、このFPGAを作ってる会社では、先ほど書いたデータ転送用の純正ケーブルが25,000円もするんだそうです。 高々ケーブル1本が、ですよ?? オーディオの世界とかだとあるのかもしれませんけど、どう考えても高すぎ。 企業相手の高信頼性のシステムであればわかりますけど、コンシューマ向けに出す商品なのであれば、もっと価格を安くして欲しかったのが本音です。
…っても、私は1チップMSXがたとえ3万でも買うと思いますけど。(ぉ