ファミコン版ドラクエIIの音楽はやっぱり凄かった!

今日、おさんぽ途中にファミコンドラクエIIの曲を自主録したものを聴いてたんですけど、今更新たに気づいたことが! 楽曲で音を鳴らしてる最中に微妙な「ゆらぎ」が聴き取れるんですけど、アレってトレモロ(音量LFO)なんですね…多分。 最初、ビブラート(音程LFO)だと思ってたんですけど、音程はそんなに変化してるようではないし。 自分が打ち込みをやる時は、トレモロはあんまり積極的に使わないので今まで気づきませんでした。

…で、再びじっくり聴いてみて、改めてファミコンドラクエIIの音楽の凄さを実感しましたよ。 すぎやまこういち氏の楽曲が名曲だから…というのは散々語られてるのでここでは置いといて。 特に感じるのは、「一般的に認知されている『ファミコン音楽』としての作品の中では最高峰なのではないか?」ということ。 もちろん、ファミコン末期にはDPCMをバリバリ使った作品や、外部音源にモノを云わせて作ったトンデモナイ曲も多数ありますけど、ドラクエIIの曲は、ファミコン音源で音楽を作る際の基本セットであるデューティ変化矩形波2音+三角波1音+ノイズ1音でファミコンらしさを前面に出しつつも、作りに全く隙がありません。 アタックのタイミングでの音色変化や音長、ディレイに至るまで、「音楽を構成している1つ1つの音が、自分から発音すべき音色と場所を選んでいるのではないか??」とさえ思ってしまうほどに見事です。 ファミコンドラクエIIの音楽は、(恐らくすぎやまこういち氏の脳内にあった)プロトタイプやアレンジバージョンなんかではなく、ファミコン版のROMに焼かれているあの形が唯一の完成形で、アレ以外の形では有り得ないのではないか?? そう思わせるくらい完成度が高いです。 これは、まさにファミコンドラクエIIの音楽を打ち込んだ人の職人技なのでしょう。 残念ながら、私は寡聞にしてファミコン版の音楽データ化を行った方を存じ上げないのですが(ご存知の方がいらっしゃれば是非教えてください)、個人的には人間国宝に指定すべき重要人物だと思います。
そういえば、一般層にゲームミュージックが認知されるきっかけとなったのはドラクエIIIで(と私は思っている)、ファミコン音楽のレベル(テクニック的な部分)が上がりだしたのもこのへんだと思ってるんですが、その先鞭がドラクエIIなんじゃないかと思ってます。 実は、私が最初にドラクエIIの音楽で印象に残ったのが、「ドラゴンクエストマーチにエコーがかかってる!」だったんです。 それまでのファミコンソフトで、そこまで音楽に注力したソフトはそこまで多くは無かったように思えます。 今では基本テクニックとなっている「音の切れ目で音量を下げてエコー(ディレイ)効果を出す」技や、軽快さを出す為に細心の注意を払った発音時間、アタックの音色変化、トレモロ…など、挙げればキリがありません。 ドラクエIIの音楽からファミコン音楽の歴史は確実に変わったと思います。 もしかしたら、ドラクエIIが無かったら、ファミコン音楽のレベルはもっと低かったんじゃないか?? …なんて考えると、ファミコンドラクエIIの楽曲って偉大なんだなぁ…なんて改めて思う今日この頃です。