白箱レビューその1

せっかくだから、聴いた感想などを軽く?書いてみたいと思います。

  1. SEGA CLASSIC DISC

今回、実際に収録を行ったこともあって、一番思い入れがあるディスクと問われれば迷わず DISC 7 を選んでしまいますが、それ以外に一番楽しみにしていたものは、実は SEGA CLASSIC DISC(DISC 1,2)だったりします。 私自身がこれらの機種を持ってたわけではないのですが(マスターシステムは激安で買ったのを一時所有してましたが、1ヶ月で壊れてしまいましたT_T)、昔、私の友人が SEGA MARK-III を持っていてよく一緒に遊んでたり、デパートの試遊台として置いてあったのを遊んでたりしたせいで、若干思い入れが強いのかもしれません。(^^;)
他の機種が多少なりとも音源がCD化される事があったのに対し、SEGA MARK-III をはじめとするこれらの機種は、(最近になって若干CD化されたものもありますが)CDとしてはほとんど日の目を見ることがありませんでした。 でも、MARK-IIIあたりの頃の楽曲は本当に名曲揃いなんですよ。 音源はPSG(MSXと違い、ノイズを独立して鳴らせる音源なので正確にはPSGではないそうですが…でもヤヤコシイので以下PSGと表記)やOPLLといった(他と比べると)貧弱な音源でしたが、楽曲の良さもさることながら、これらの音源の良さ(特にそれらの音源が持つ「響き」)を引き出す絶妙なアレンジが素晴らしかったと思います。
今回のディスクに収録されているもので印象に残っているのを挙げてみると…まず、DISC 1 から。 初期STGタイトル「スタージャッカー」「ザクソン」「ズーム909」は、先ほど書いた「耳に残る」という意味ではどれも秀逸だと思います。 これらの楽曲は、矩形波の高音の響きの美しさを重視していると思われ、どれも一度聴いたら強い印象が残るのではないかと思います。 個人的に一番好きなのは「ザクソン」ですかね。 メインBGMはミニマルなフレーズが延々と続くんですが、ハーモニーが絶妙で、響きが美しいのが気に入っています。 「ズーム909」は、ストイックな雰囲気やイントロの音の飛躍具合、ディレイの特徴なんかがコンパイルのGGアレスタあたりを思わせますが…コレもコンパイル製なんでしたっけ?
「ガールズガーデン」も初期の名曲だと思います。 この曲は、通常よりも1〜2オクターブ上で演奏しているメロディが肝で、こうすることで矩形波の美しさがより際立っているように思えます。
「アストロウォリアー」…コレ、大好きかも。 GALAXY ZONE のメロディって、多分「白鳥の湖」をモチーフにして作曲してるんだと思いますが、こういう泣きのメロディってこの音源にはよく合いますね。(^^) ASTEROID ZONE もいいなぁ。
アレックスキッドのミラクルワールド」は、よく友達の家で遊んでたのでなんか懐かしいですねぇ。 オリジナル音源がフルでリリースされるのは多分初めてだと思いますが、軽快なBGMが心地よいです。
ファンタジーゾーンII」は、OPLL版の全曲は初CD化じゃないでしょうか。(アーケード版は別CDに入ってますが、OPLLではなくPSGだった気がする) そういえば、FM音源対応とはどこにも書いてなかった(私が単純に見逃してただけかもしれませんが)のに、マスターシステムでプレイしたらFM音源でBGMが鳴ったので感動した記憶が。(^^;) 終盤が難しいゲームですが、以前インチキして(^^;)ラスボス倒してエンディングを見たら、「そんな話だったのか…」と泣きそうになりました。 うーん、深い。 というわけで、エンディングの曲は印象に残ってますね。
ファンタシースター」は云わずと知れた名曲ですが、OPLL版だとダンジョン1の曲が強烈に印象に残ってます。 3Dダンジョンが苦手なくせにマッピングせずに勘で進んでたもんだから、いつまでも抜け出せずに延々とこの曲だけを聴いてた想い出が…(^^;) あと、モタビア星の曲が好きだったなぁ。 ちなみに、OPLL版ではそんなに好きでもないんですけど、PSG版(未収録)のダンジョン2の曲は響きが美しくて好きでした。
「星をさがして…」も割と好きです。 敢えて?テンポを外した雰囲気のオープニングとエンディングのキラキラした音が印象深いです。
…それにしても、DISC 1 ってなんでトラック切ってないんだろ?? 初期段階では収録タイトル数が多すぎてトラックがどうしても切れない部分もあったりしたのは知ってるんですが(CDの仕様上、99トラックまでしか切ることが出来ないそうです)、それにしても切れてなさすぎです。(^^;) 曲数が多いタイトルは、もうちょいトラックを分ければ良かったのに…とか思ってしまいました。 …って、もしかして昔のCDプレイヤーとかにあった「インデックス機能」に対応してたりとか?(ぇ
続いて DISC 2 のほうです。 「ガルケーブ」って、MSXディスクのコンパイルものSTGに繋がる一連のシリーズだそうですが、曲調もそんなストイックな雰囲気が垣間見えますね。
「アレスタ」は、このディスクではPSG版を収録しているようです。 DISC 8 ではOPLL版を収録しているので、違いを聞き比べると面白いかも。
で、「アレスタ」はOPLL版もあるので普通の長音が多いメロディですが、「POWER STRIKE II」あたりから PSG に特化したメロディに作風が変わっていき、それが「GGアレスタII」でひとつの完成形となっているように思えます。 PSG って(ノイズを除いて)3音しか鳴らないわけですが、この限られたスペックでハーモニーとスピード感を同居させるべく、これらの楽曲ではメロディもベースラインもとにかく動く動く。 しかも、ただ動くだけではなくて、ベースラインのオクターヴが上がる部分とメロディが重なる部分でちゃんとハーモニーを形成するように計算し尽くされているようです。 更に、メロディと重ね合わせているパートを臨機応変に使い分け、目まぐるしく動く部分はメロディにディレイをかけてスピード感を出しつつ、要所要所ではコードにして畳み掛けるという手法を使っています。 楽曲の良さもさることながら、これだけのテクニックを駆使してPSGが持つポテンシャルを遥かに超えた楽曲を作ったこの人って天才なんじゃないですか?? 今まで名曲だと云われてきたにも関わらず、CD化もさらずマイナーなハードであるが故に一部の人しか知らなかった(私も全曲聴いたのはコレが初めて)このような楽曲が日の目を見ることが出来たってだけでも、このBOXの存在意義があるんじゃないかな、と思いました。

…なんか思いもよらず長文になってしまったので、続きはまだ今度ということでひとつ。