白箱レビューその2

http://www.webcity.jp/ds/detail.php?pid=SCDC-00497

  1. MEGA DRIVE DISC

セガのコンシューマ機って、他とは違って何故かFM音源にこだわっていたイメージがあります。(白箱に入ってるMSXX68Kはパソコンなのでここでは除きます) 多分、国内のコンシューマ機でFM音源を搭載してたのってセガのマシンだけなんじゃないですかね? SEGA MARK-III にFM音源ユニットを出したのが最初で、国内版マスターシステムにはそれを内蔵、更にメガドライブでOPN2を搭載(ココを見て知ったんですが、この音源ってPCMはFM1ch分と排他でしか使えないんですね…)、実はセガサターンにもFM音源っぽい謎の音源が載ってました。(PCMなんだけどオペレータを接続してFM変調をかけれる不思議な音源だそうです…こんなの使いこなしてる人いたんだろうか??^^;) しかし、FM音源に力を入れていたセガですが、メガドライブ初期には正直へっぽこな音しか出せず、特にアーケード移植物なんかをプレイするとけっこうガッカリしたものですが(T_T)、サードパーティの各社などが凝った曲を作るようになてきてからは数多くの名曲があるようです。(セガ古代祐三氏がベアナックル等で関わったりしたので、徐々に音源の使いこなしレベルが上がっていったんですかね) …で、このディスクにはセガFM音源の歴史で最も脂の乗った時期の曲が入ってます。(でも、選曲は凄くマニアックですね…個人的にはもっとオススメが色々あるんですけどね)
まず、「スーパーファンタジーゾーン」。 残念ながら未プレイですが、アーケード版の移植物ではなくオリジナルのようです。 音色はファンタジーゾーン準拠で、いくつかはオリジナルのファンタジーゾーンの楽曲のパロディのような曲もあって、原曲を知ってると思わずニンマリしてしまいます。(YMOとOMYみたいなもんですかね^^;) でも、オープニングがやたらと重たい曲だったり、若干垢抜けない曲だったりなんかするので、楽曲の印象はオリジナルのファンタジーゾーンとは結構違う気がします。 こちらはマツケンサンバIIとマツケンサンバIIIの違いみたいなもんか??(ぇ ファンタジーゾーンが名曲たる所以は、気持ち良いほど垢抜けたメロディと胸がキュンとするようなせつないメロディの対比の素晴らしさだと思うので、その境界線が曖昧な部分がちょっと惜しいなぁ、と。 悪くは無いんですけど、個人的にはオリジナルのほうが好きかな。
続いて「紫禁城」。 何故このタイトルが出てきたんでしょう…??(^^;) メガドライバーの中では有名なソフトだったりするんでしょうか? それとも、録音担当のA氏の好みかしらん??(^^;;) で、楽曲のほうはステレオFM音源という特徴をうまく引き出しており、ミドルテンポで広がりのある楽曲はまったりと聴くのに非常に心地よい感じです。
お次は「OutRun2019」。 …ゴメン、全然知らないコレ。(^^;) ていうか、SIMSって全然聞いたことない会社なんですが、他に何かゲーム作ってたんでしたっけ?? で、曲自体は割と好みかもしれません…が、FM音源の使い方がイマイチな気がするのが惜しい。 もうちょいメロディが厚い音だったら印象も変わったのに…という感じがしました。 そういえば、「STEAL INTO THE NIGHT」の途中のメロディがなんかダーウィン4078(SRDのほうだったかな?)っぽい感じがしました。(^^;)
そして「クライング」。 コレは私も所有してまして、実は密かに気に入っている作品だったりします。 FM音源が奏でる低音は、ゲームの異様な雰囲気を盛り上げる役割として欠かせないものになっています。 金属音やブラス音のようなはっきりした音ではない、FM音源の可能性を垣間見せる楽曲だと思います。 そんな中、唯一明るい曲調となっているSTAGE2/6の曲は特に好きかも。
続いて「ゲイングランド」。 これは多分baddyさんの趣味で入れたやつじゃないですかね?(推測) ずんずん響くハッキリしたベースラインが特徴で、割とセガっぽい曲だなぁ、と思いました。(体感ゲームのような派手なやつではなくて、同じCDにカップリングで入っているテーブル筐体のゲームの曲みたいなイメージでした)
次は「鋼鉄帝国」。 噂には聞いたことがありますが、残念ながら未プレイです。 なんかPCMスネアの音が異様にいいなぁ…コレって本当にメガドラから出てる音なんだろうか?? FMスネアとPCMスネアを重ねて出してるんですかね? どうやってこの音を出してるか凄く興味あるなぁ。 全体的には、音色などにこの頃のゲームミュージックっぽいテイストを色濃く感じさせつつも、マイナーな楽曲でドラマチックに盛り上げる作風はかなり好みかも。 ていうか、未使用曲のベースラインが妙に印象に残ってます。 コレがボツって勿体無いなぁ。
続いて「バッドオーメン」。 コレも名前は聞いたことあるけど…って感じ。 切なくて雰囲気があるオープニングが良いなぁ…と思ったら、ステージ1やボス曲で重厚なベースラインが出てきて驚かされたり。 マイナーかつ重厚で、引く所は引き、ドラマチックに盛り上げるところは盛り上げるといった感じで、起伏に富んだ楽曲がかなり良い感じです。 FM音源を「魅せる」テクニックも素晴らしい…と思ったら、あの崎元氏の楽曲だったんですね。 納得。 そういえば、マジカルチェイスの5〜6面とか、ヴェリテックスっぽいテイストを感じるなぁ、と思いましたよ。(^^;)
最後は「魂斗羅ザ・ハードコア」。 魂斗羅といえば、個人的には漢らしい派手派手ディストーションギター&オケヒットの「SUPER魂斗羅」を真っ先に思い出すので、そのテイストを期待してたんですが、それとはかなり異なる作風で最初はかなり戸惑いました。 ああいう判りやすい音楽ではなくて、もっと泥臭いイメージがあります。 SUPER魂斗羅でいうと、本編使用楽曲ではなくて、CDに収録されていた「未使用曲1」(だっけな?)のテイストの流れを汲んでいる気がします。 で、楽曲の方向性としては、FM音源ディストーションギターが炸裂する中、びよんびよん鳴ってるシンセベースやシーケンスが絡む感じ。 そういえば、「真魂斗羅」でもディストーションギター楽曲+テクノといった方向性だったので、ある意味「真魂斗羅」は「魂斗羅ザ・ハードコア」の楽曲の正統進化系なのか知れません。(そういえば、「ネオコントラ」のCDって出てないのかしらん?) で、ずっと聴き込んでいると、ハマる人にとっては非常にヤヴァいです、コレ。 私はどっぷりハマったクチで、ずっと聴いていると目が血走ってきそうで怖いです。 「夜の肉食獣」なんてずっと聴いてるとあまりのカッコ良さに失禁しそうになります。(ぉ ちなみに、ライナーノーツにも書かれてますが、最後の「SIMON1994RD」は、何故か「悪魔城ドラキュラ」の「Vampire Killer」のアレンジとなっています。 コレがまた絶品なんですよ。 普通に考えたら、魂斗羅+ドラキュラ=ギター重視のアレンジと思いきや、そこに「ベアナックルIII」みたいな変態レイブ的テイストが混ざってなんか凄いことになってます。 当時のコナミ楽曲からはなかなか思いつかないテイスト満載のこれらの楽曲は、禁断の世界を垣間見たような気がしてかなりショッキングでした。(かなり言い過ぎ)