キノコ国本氏のブログに

http://kinokosan.blog.ocn.ne.jp/wakame/2006/05/wiz_d070.html
私のことが書いてあるんですが!!(@o@)
国本氏といえば、ファミコン全盛期の名作「チャレンジャー」「スターソルジャー」「迷宮組曲」などにおいて、耳に残る素晴らしい楽曲を手がけた名コンポーザであり、現在はバンド「SALT PEANUTS」で素晴らしい腕前で素敵なベースをプレイされているお方なのですが、まさか氏のブログで私の名前がタイトルに出てくるとは! 趣味でゲームミュージック等の打ち込みを初めて気づけば20年弱、まさか本職だった方からお褒めの言葉を戴こうとは…インド人もびっくりですよ!!(@_@) 私にはとても勿体無い言葉の数々…恐縮です。
というわけで、国本氏のブログから初めてご覧になった方の為に、そのあたりの事を改めて書いてみようと思います。(記憶が曖昧なので、過去に書いたことと若干矛盾してる部分があるかもしれませんが、そのあたりはご容赦くださいませ)
まずはゲームミュージックにハマったきっかけですが、そもそもファミコンの軽快な音楽は耳に刷り込まれて口ずさんだりもしてたわけですけど、如何せん私は当時ファミコン本体を持ってなかったので(たまーに従兄弟や友達の家で遊んだりデパートの試遊台で遊ぶ程度)、思い入れとしては当時デパートの屋上(ゲームセンターは当時「不良の溜まり場」とされていたので、行ってはいけないことになっていた)で遊んでいたアーケードゲームの曲のほうが強いかもしれません。 特に、「ドルアーガの塔」「ギャプラス」「マッピー」などのいわゆる「ナムコPSG」を使った楽曲が特に耳に残っています。 きっと、未だにSCC音源なんかが好きなのは、このあたりが原体験として残っているからかもしれません。
ゲームミュージックを音楽として意識し出したのはもうちょい後のことで、中1くらいの頃に友達や親戚の家で見せてもらった「ドラゴンクエストII」のパスワード入れの曲「LoveSong探して」が猛烈に気に入ったんですよね。 サビで転調する部分なんかが何度聴いても最高で、確か友人からダビングしてもらったサントラのテープを何度も聴いてた記憶があります。 そして、もう1つの大きな出来事が、MSXの「グラディウス2」でした。 このソフトにはコナミの市販ソフトでは初めてSCCという外部音源が搭載されてたんですが、当時使っていた「富士通FM-X」というMSXはSCCの音があまり聴こえず、つまりゲームソフトをプレイしても音楽がちゃんとした形で鳴らない、という状態でした。 どうしてもちゃんとした楽曲を聴いてみたかったので、当時発売されていたサントラテープを取り寄せで注文しました。(サントラテープは1,000円、当時の小遣いも1月1,000円だったので、悩んだ末小遣い全額をはたいて買った記憶があります) そして、届いたテープを聴いてみると…信じられませんでした。 MSXは当時矩形波3音しか鳴らないはずなのに、なんでしょう…このゴージャスなサウンドは! もーすっかりハマってしまい、食事のときも寝るときもずーっとヘッドホンでこのサントラばかり聴いてました。(あんまりずっとヘッドホンはめてるので、両親から「食事の時くらいヘッドホン外せ!」と怒られました^^;)
その後、当時はCDを買うお金も無かったので、CDレンタル屋でゲームミュージックをレンタルしているところを探したりして、主にナムココナミセガタイトーファルコムといったあたりの曲を中心に聴いてました。(ハドソン入ってないですね(^^;)…すみません>国本さん) 他にも好きな曲やエピソードは山のようにあるんですが、それだけで1冊の本が出来てしまうので今日はこのへんで。(^^;)
…で、今度は打ち込みをやるようになったきっかけですが、その頃ちょうどマイコンBASICマガジンで「VGMコーナー」というものがありまして、VGM(確かVideoGameMusicの略)をパソコンのBASICのMML(という音楽を演奏させる為の言語)で演奏させる為のプログラムがいくつも掲載されてまして、その中でMSX用のプログラムを打ち込んでみたわけです。 すると、(矩形波3音しか鳴らないので)流石にオリジナルには及ばないものの、ちゃんと大好きなゲームミュージックと同じ曲が流れてる! これがかなりカルチャーショックだったんですね。 しかも、ベーマガに掲載されているような楽曲は、全国から選抜されたツワモノなだけあって、綺麗に演奏させる為に様々な工夫をしてるんです。 それも、(MSXに関して云えば)BASICのMMLだけでは決して実現できない、シンセタム(YMOの「ライディーン」の途中のソロパートでポコポコ鳴ってるやつを想像してください)とか、コーラス効果(同じ音を周波数を微妙にずらした状態で2音重ねて鳴らすと、特に矩形波では例え様の無い綺麗な音になります。 一般的には「デチューン」と呼ぶ場合が多い)なんかが実現されてるんですよ! これには驚きました。
こんな曲を自分でも作ってみたい!ということで調べてみると、どうやらタイマ割り込みというもの((MSXの場合)1/60に1回、無条件に何かの処理をさせることができる機能)を使って実現しているようですが、それをやる為には「マシン語」というものを理解する必要があるらしい。 これはハードル高いです。 ベーマガにはたまにとてもアマチュアが作ったとは思えない物凄いプログラムが掲載されてたんですが、それらは大抵マシン語を使ってました。 それも、16進数の羅列だけが並んでいて、リストを見るだけでは全く理解不能なやつです。 しかし、どうしてもやってみたい!というわけで、まずはベーマガに掲載されたマシン語の逆アセンブル(16進数から元のプログラムに戻す作業)から始めました。 幸いにも、これらの曲に使われているマシン後は非常に短いので、なんとか私でも解析できました。 マシン語を解析して、だいたいの使い方がわかったところで、まずは既に打ち込んだ他の曲にマシン語を入れて試してみたりしました。 よく覚えてるのが、最近サントラCDが発売された「シルフィード」というゲームのエンディング曲「Little Moments Peace」です。 この曲、元々ディレイなどが駆使されていて非常に綺麗な仕上がりだったんですが、そこに前述のデチューンルーチンを組み込んでみると…なんでしょう、この綺麗な音は! マシン語でちょっとしたエッセンスを加えるだけで、こんなに綺麗な曲になるなんて! もうカルチャーショックでした。
それからというもの、友達に教えてもらいつつ、試行錯誤してマシン語を駆使しながら曲を作るようになりました。 気づくと、メインはBASICのMMLなのに、ドラム音5種、ピッチベンド・ポルタメント機能、ビブラート機能、エンベロープ機能などを詰め込んだ化け物のようなプログラムまで作っていました。 今の時代なら、BASICではなく専用の音源ドライバとMMLを使えばこれらの機能は簡単に実現できるんですが、今考えても「よくこんなの作れたなぁ」と思います。(^^;)
更に打ち込みの転機が訪れたのは、SCC音源を使い始めたことでした。 当時、同じくベーマガに「サウンド君」というドライバが掲載されていました。 私の知る限り、コナミのSCC音源をユーザが自由に使えるドライバはこれが初めてで、それはもー喜び勇んで使ってたわけですが、この音源はユーザが自由に波形を設定できるかわりに、ノウハウが無いと何をやっていいかサッパリわかりません。 そこで、どうやって音色を作っていたかといいますと…文具屋で1mm角の方眼紙を買ってきまして、そこに自由に模様を書いて、それを波形データにしていったわけです。 正直、なかなか思い通りの音が出ないんですが、それでも作っているうちに何となくコツが掴めてきました。 この頃は、こうやって試行錯誤しつつ音楽を作っていたような気がします。
…他にも、X1turboのOPMとか、PC-98のOPNA、更にファミコン音源などとの出会いが打ち込みで大きな転機となるんですが、そのへんの話をしだすと終わらないのでとりあえずこのへんで。
ちなみに、現在の本職は一応SE(システムエンジニア)ですが、本当は打ち込みを始めた頃はゲームミュージックコンポーザになりたかったんですよ。 当時、まだ学校にパソコンがあるのが珍しかった時代に、宮崎県内で初めてうちの中学校にパソコンが導入されたんですね。 その時、一太郎ワープロソフト)を使って「私の履歴書」というのを作れ、という課題がありまして。 その内容は、生まれてから現在、そして10年後の未来を一太郎を使って書きなさい、という課題でした。 そこに私は「10年後:コナミ工業(※当時)に入社してゲームミュージックを作っている」と書いたのを今でも覚えてます。(w 当時の夢はそんな感じで、特に、私のルーツである「MSXのPSGだけでアーケードゲームの曲を超えるものを!」というのが目標でした。 しかし、如何せん作曲の才能が無く、以前も書いたとおり、自分でメロディを作ってるつもりが何時の間にか他人のメロディと同じになってたりなんかして、「ダメだこりゃ」と。(^^;) そういった経緯で、結局は趣味で細々と続けているわけですが、実を云うと入社面接(当時のうちの会社の専務が面接官でえらい緊張しました)で「MSXマシン語ルーチンを作って曲を作っていた」という話をして会社に入れてもらったりしましたので、当時の経験が本職にちょっとだけ貢献している…かも。(^^;)
あと、キノコさんのブログで取り上げられてましたが、Wiz.Chronicleに関しては、残念ながらM3などのイベントでしか発売しておりません。 ただ、たまーに問い合わせが来るので、そのうちFMPSGのCDとあわせて通販などをやってみようかな、とは一応考えてます。 ただ…そもそも欲しい人ってどれくらいいるんでしょう??(^^;) 欲しいという方がいらっしゃいましたら、コメント欄に一言書いていただけるとありがたいです。 数が多ければ前向きに考えます。 その場合、詳細が決まりましたら、ホームページや当ブログで発表しようと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m