埋もれた名盤

新年あけましておry …って遅いわ!>拙者(でも、去年は1月は全く更新してないので書いただけマシか^^;) 正月でたるんだ精神や肉体(特に腹回り)が寒さで引き締まる今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。 いいゲームミュージック、聴いてますか?
そんなわけで、新年一発目は、2008年に聴いたゲームミュージック(新旧問わず)の中で、知名度はイマイチでも実はイイ!というのをいくつか紹介したいと思います。(っても、このネタ自体、本当は去年の年末に書こうと思ってたヤツなんですがね…遅くなってスマンす)



(Amazon) コード・エイジ コマンダーズ~継ぐ者 継がれる者~オリジナル・サウンドトラック


1つ目は、FFCCの楽曲で知られる谷岡久美氏による楽曲が収録されている「コードエイジコマンダーズ」のサントラです。 コレ、案外中古屋でもよく見かけるので、試しに買って聴いてみたらかなりハマってしまいました。
FFCCの頃は、確かに心地良いサウンドではあるものの、個人的にはあまり鮮烈な印象がありませんでした。 しかし、この作品ではFFCCとは全く正反対のサウンドを聴かせてくれます。(先ほど「中古屋でよく売ってる」って書きましたが、恐らくFFCCサウンドを期待して買った人がイメージと違いすぎて馴染めなかったからでは…と推測) 思いっきり大雑把にいえば、割と今風の無機質な4つ打ち系(というかリズムパターン的にはブレイクビーツかな)に近いのですが、そこらに転がっている安易なその手のサウンドとは違い、アグレッシヴで時に暴力的とも思えるサウンドになっており、さらりと聴き流せません。 特に特徴的なのがベースラインで、これらが激しく動き回ることによって楽曲のテンションを高めている印象。 あとは、繰り返されるアルペジオも特徴的で、ハイテンションなベースラインと共に延々繰り返される暴力的なサウンドを聴く者に印象づけています。
聴く人を選ぶサントラだと思いますが、前述のレビューを見て興味が沸いた方は是非聴いてみてください。 きっとハマると思いますよ。



(Amazon) History Repeats Itself / kt2


こちらは、たまソフトのアダルトゲーム「LOST CHILD」サウンドトラックです。 LOST CHILDといえば、激しいギターサウンドが「アツイゼアツイゼアツクテシヌゼ!」な埼玉最終兵器氏のサントラ(SIDE-A, SIDE-B)が有名ですが、これは同作の別の楽曲担当である「kt2」氏の楽曲を収録したものだそうです。(ちなみに、同作のもう一人の担当は、オールドゲームミュージックファンにはソニックウイングス(2以降)の作曲で知られる「ほそQ」こと細井聡司氏だそうです)
実をいうと、最初は埼玉最終兵器氏のサウンドを期待して買ったので、曲を聴いてかなり面食らったのですが、「小僧はお断り。」と帯にあるとおり、孤独と哀しみを背負ったかのような感情が静寂の中に響くそのサウンドは、酸いも甘いも知り尽くしたまさに「大人向け」のサウンド。 聴けば聴くほど心の隙間に染み渡る名曲揃いです。
埼玉最終兵器氏のサウンドが「動」とするならば、こちらは「静」。 静寂な空間を基点にしているからこそ、ピアノやストリングスのマイナーなメロディやコード、アナログ盤のようなノイズを纏ったリズム隊など、1音1音がそっと主張しながらも、これらが渾然一体となって独特の重い空間を形作っています。 ずっと聴いていると、冷たいナイフが優しく心を撫でながらも、確実に感情を蝕んでいく…そんな楽曲です。
このアルバムを聴いてkt2氏に俄然興味が沸いてきました。 アダルトゲーム系は今まであまり詳しくなく、楽曲を知っているのもその中の一握りでしかないのですが、こんな名曲が埋もれていたとは…侮れません。 是非、氏の他の楽曲も聴いてみたいところです。



(Amazon) LOST FILES / 菊田裕樹


こちらは厳密にはゲームミュージックではありませんが、聖剣伝説2,3等の楽曲で知られる菊田裕樹氏のソロアルバムです。 中身は未発表のデモ曲(ゲーム会社の応募用に作った曲!)とか同人ゲーム用に作ったもの、自身が初期に関わりつつも抜けてしまったゲームの企画段階のモチーフをベースに仕上げた楽曲等、様々な曲想のものが収録されています。 特に前半は発音もシンプルで、FC〜SFCの音源を想定して作られた楽曲のようです。
聴いた瞬間、1曲目の「Mona Lisa Over Drive」で早くもノックアウト! 激しいギターに変拍子にオルガンと、どこまでもプログレッシヴの王道でありながら、バックで動き回るアルペジオパターンはまさに「聖剣」で見せた菊田氏のもの。 とにかく鮮烈! このような雰囲気の曲が数曲続き、ファミコン風の音数の少ない楽曲やファンタジックな楽曲を交えつつ、鮮烈な印象を残す楽曲がもう1つ。 それが「天霊島奇譚パート1」です。 でも、この楽曲、どっかで聴いたことのあるような…と思ったら、実は「双界儀」で何曲かこのメロをモチーフに作っていると思われる曲があった気がします。(でも、個人的には「LOST FILES」に入ってるバージョンのほうが好み)
氏の楽曲はアルペジオや和音が独特で、一聴するだけですぐソレとわかるほど鮮烈な印象があります。 和音に関しては(私は音楽理論に詳しく無いので曖昧な表現で申し訳ないのですが)「複雑な和音をすっきりと聴かせ、かつ鮮烈な印象を残す」という点で、ゲームミュージック界においては抜きん出た才能がある気がします。(アルペジオも分散和音ですから、その特徴が印象的なのでしょう…恐らく)
スクエニ以後の活動はあまり存じ上げなかったのですが、最近はインディーズで立て続けにアルバムを発表しているようです。 とりあえず「alphabet planet」「concerto」の2枚を聴いてみたのですが、どちらも菊田氏らしさが出ていて非常に良かったです。 Amazonでも購入できますので、興味のある方は是非聴いていただきたいと思います。(私も早く他のアルバムが聴いてみたい!) あと、今では入手困難だとは思いますがと思ったら再販されてて今でも入手可能なようですが、初期の作品「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」も名盤ですので、未聴の方はこちらも是非!

村井聖夜「plug+program」


こちらは2008/12/24に発売されたばかりの新譜ですが、お気に入りなのでご紹介。 ポップンミュージック等で長年メインコンポーザとしてご活躍の村井聖夜氏の初ソロアルバムです。
氏の楽曲はキャッチーで耳に残り、かつ表現も多彩で飽きさせません。 今回は、今まで発表された楽曲を全面的にリアレンジし、原曲のニュアンスを残しつつも表現方法(アレンジ)をかなり変えた曲が多い印象で、原曲を知っているファンでも新たな発見が多いと思います。
このアルバムはとにかくSCI-FIを聴くだけでも元が取れるってくらい、SCI-FIのアレンジがカッコ良過ぎ!! 原曲からして大好きで、一時期ポップンでこればっかりプレイしてた時期もあるくらいなのですが(最近はポップン自体をやってないので、9ボタンで叩けるかすら怪しい…^^;)今回のリアレンジで更に原曲の疾走感がパワーアップ! 正直、1ループ目はメロがピアノからシンセに変わって若干の違和感もあったんですが、2ループ目でシンセが2本になってから、あまりのカッコよさにゾクゾクと鳥肌立ちまくり!! 重厚なギターとの絡みや後半のシンセソロ等、後半も聴きどころだらけでテンションは最高潮に達します。 最近は、通勤で電車を下りてから会社まで歩く途中に必ずこの曲を聴くようにしています。 それくらいテンションの上がる曲でもう最高! 今は、もしも自分が死んだ時ですらこの曲を流して欲しいくらい…って、そんな時にこの曲が流れたら、棺桶にロケットエンジンつけて宇宙まで飛んでっちゃいそうでダメぢゃんw
シンセのメロディがグイグイ引っ張る展開は、昔のメロディ重視系なゲームミュージックのアレンジバージョンなどでよく聴かれた手法でもあります。(今思い出したのは、ドラゴンセイバー「火山」の米光氏のアレンジバージョンとか…要はそんな感じ) そんなわけで、音ゲーだからといって聴かず嫌いだったオールドゲームミュージックファンにも是非オススメしたいと思います。


そんなわけで、今年もゲームミュージックなどを中心に色々聴いて&書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m