FUCK THE FAKE STAR/黒夢

はじめに書いときますが、本日のエントリはゲームミュージッククラスタChiptuneクラスタの方には意味わかんないと思います。 お好きな方だけどうぞ。
…というわけで、黒夢の復活ライブ「FUCK THE FAKE STAR」に行ってきました!
実は、2年前の解散ライブ「the end」も生で観たんですが、その時は嵐のように過ぎ去ってしまい、正直「…えっ?これで終わり??」みたいな感じでした。 しかし、今回のライブは前回とはまるで違っていました。 期待を裏切らない王道と黒夢らしい裏切りの連続、そしてそれらをひっくるめたライブ全体のコンセプト…全てに痺れました。 演奏前にBGMとして流れた曲はインストのFAKE STAR…なんですが、いきなり原曲破壊で実にavexらしいというか…(どうもアレはトリビュートアルバムに入ってるらしいとの情報が。アレまだ買ってないのですよ…^^;) ライブの1曲目は王道のFAKE STARでは?という憶測が結構あったんですが、ここで早くも1つ目の裏切り。(※その後、アンコールで普通に演奏もされました) そして、演奏開始1曲目は…なんとBEAMS しかも、黒夢なのに全員白装束! ここで2つ目の裏切り。 この曲が1曲目というのは正直予想してなかった…でも、拙者にとっては黒夢を知るきっかけになった曲なので、懐かしさと共に色々な感情が湧きあがって来ました。 その後は、デビュー時からの黒夢をなぞるように古い曲から新しい曲へ…特に、2ndアルバム「Cruel」から、まさか『sister』が出てくるとは思わなかったので動揺を隠せない拙者。(@_@) 3rdアルバム「feminism」からは「解凍実験」〜「カマキリ」が! カマキリは予想してましたが、「解凍実験」を絡めてくるとは…しかも、今回のバンド編成はヘヴィ寄りなのでこれがえれぇカッチョイイのなんの。 痺れましたわ。 このへんのラインナップで面白かったのが、曲の最初に打ち込みの新しいフレーズが付加されていたことでした。 聞き覚えの無いイントロから始まるので、最初は「何の曲だろう?」と首を傾げつつ、聴き進めると「あー、あの曲ね!」と納得。 雑誌のインタビューで清さんの「打ち込みとかそういうのも取り入れたい」的な発言を見た記憶があるので、「なるほど…こういう事なのか」と納得。 今回は主に前奏のみの演出でしたが、曲によっては曲中の間奏で打ち込みフレーズが流れたり、曲自体の調が変わったものもあり、新鮮で面白かったです。 あと、このへんのラインナップで個人的に「あー、黒夢だなぁ」と思ったのが、人時さんのベース三部作(と拙者が勝手に思ってる)「masochist organ」「gossip」「Walkin' on the edge」の3曲が演奏されたこと!(※masochist organのみ臣さんの作曲です) 拙者の座席からは少しベースが聴きづらかったのが少し残念だったものの、ここは今後DVDとかでフォローされるでしょう…と期待。 後半は、予想どおりライブ栄えする末期(CORKSCREW)の楽曲メイン。 一通り盛り上がったところで一旦終了。 その後はお約束のアンコール…なんですが、今回はトークが長め。 しかも、sadsやソロとはちょっと違う、黒夢の頃の「やんちゃ坊主」的なトークがもう! 「the end」が黒夢の初ライブだった拙者にとっては、ビデオやDVDで観たこの手のトークもなんか楽しくてしょうがない。 そして、流れた曲がまさかの「優しい悲劇」…これは流石にやらないと思ってたのでちょっと驚いた。 …かと思えば、CORKSCREWの曲、更には新曲「ミザリー」など、もはやなんでもアリ状態に。 このへんで改めて確信したんですが、今回のライブは曲だけではなくて、清さんの衣装や演出を全部ひっくるめたコンセプトとして、過去の歴史をなぞる演出だったのかなぁ…と。 パーカーを脱いで現れた短髪に黒バンダナ、青のテンガロンハットなんかは昔の黒夢で見覚えのある衣装でしたし、よく考えたら「masochist organ」が流れてた時と、その次の『sister』が流れてた時にステージに映し出されてた「黒夢」ロゴの違いは、まさにその時期に観たロゴのオマージュ。 それに気づいて途中からちょっとニヤニヤしてましたw 1つ意外だったのが、ラスト直前に演奏したNEEDLESS。 個人的にはそこまで思いいれのある曲ではなかったのですが、清さんのトーク「この曲はリハで演奏して色々な想いが…」という発言の後、少し涙ぐんだように見えた気が…? この曲は歌詞も含めてもう一度ちゃんと聴いてみたいなぁ…と。 そして、ラストはお約束の「Like @ Angel」! 全てが終わった後、ステージ上で自然と抱き合う清さんと人時さん…なんか嬉しかったです…ちょっとグッと来た。 今回のライブはここで終了だったのですが、全員が退場した後もステージ上には映像が…そして、最後にステージ上に表示されたのは「新しい羽を手に入れた」(というような意味の英文)(「FEATHER」だと羽というよりは「羽毛」なのでちょっとイメージ違うんじゃないかな…?という野暮なツッコミはとりあえず置いとこう…) ここで今回のコンセプトを悟って「あぁ…伝えたかったのはそういうことなんだ」と。 正直、ここまでコンセプチュアルな構成になっているとは思わなかったので、完全に「やられた!」と。 最後の曲「Like @ Angel」の歌詞に出てくる「天使の羽」は、もはや過去の焼き直しではなく、新しい羽なんだ…という強烈なメッセージでした。 黒夢のコンセプトである「過去を否定して新しいものを創る」のと同時に、「否定し続けることしかできない」という過去すらも否定する身軽さが今の黒夢なんだなぁ…と。 それに気づいた瞬間、なんだか色々と嬉しくなりました。(ライブ終演後にグッズ売り場のグッズが全て黒から白に変わってたのは商魂逞しすぎだなー、とも思いましたけど^^;)
黒夢は大学の頃テレビで「BEAMS」を聴いて知り、そこからインディーズに遡って聴いてそのダークな世界観にハマりつつ、現在進行形のキャッチーな部分、それをアルバム毎に全否定していく姿勢など、色々な部分でハマってました。 なので、黒夢が活動停止してしまった時は本当に悲しかった。 なので、今回の復活劇は嬉しかった…はずなんですが、正直なところミザリー」を聴いた時はかなり不安があったのも事実です。 落としどころとしては確かに「黒夢っぽい曲」ではあるものの、過去を否定するほどのパワーは感じなかったのも事実ですし、清さんの元々持っているパーソナリティがそのまま出ている気もして、まだこのシングルだと「黒夢である理由」が見えなかったんです。 正直、ライブが迫っても、昔のように心躍る感覚が少なく、不安の方が大きかったのも事実。 ある意味今回の復活ライブは黒夢という存在が自分にとって何なのか」を見極めたかったのかもしれません。
でも、今回のライブを見て1つ確信した事があります。 なんだかんだ云っても「あー、やっぱり黒夢が好きなんだな」と。 そういう意味では、今回のライブを生で観れて幸せでした。 今後、どんな曲が飛び出してくるのか…物凄く楽しみです。