昨日の日記の補足

昨日の日記(最後の部分)を書いてから、「一般人にアクションを強要している」とか「中の人の努力不足を責任転嫁しているのでは?」とかいう意見が出ているのを見かけました。 私個人の裁量で前述の言葉だけクローズアップしてしまい、誤解を招いてしまった点に関しては申し訳ありません。m(_ _)m
(以下書くことは上記の発言の方に真意を伺ったわけではないので完全に私見です)
ユーザの思い入れには数々あって、性能の良いパソコンは他にもあるにも関わらず、敢えてMSX向けとして同人活動でコンスタントに作品を発表している人もいます。 このような方々は、明らかに「MSXというプラットフォームへの思い入れ」が強いと感じています。 しかし、そうではなくて、単に「昔はMSXを使っていたけど今は使ってない」とか、「たまたま家にMSXがあったのでそれで遊んでいた」という人もいます。 このような人にとっては、1チップMSXは「単に高いだけのMSX」としか映っていないでしょうし、それ以前に1チップMSXの存在を知らない人だって多いでしょう。 結局のところ、1チップMSXを必要としているのは前者のユーザが主で、後者の人にとってはそこまでではないんだと思います。
しかし、1チップMSXは量産という道を選んだ以上、ある程度の販売が見込めないと生産ができません。 その為には、現在残っているコアユーザだけでは圧倒的に数が足りません。 となると、生産にこぎつける為には、コアユーザからライトユーザへのアピールが必要となってくるんだと思います。 「ユーザからアクションを」という部分は、そういう意味で、恐らくコアユーザを対象としたものだと思います。 結局のところ、そのコアユーザが否定もしくは見向きもしない(あるいは前述の「口を開けて待っている状態」)という結果となれば、MSXはこのまま滅びの道を辿っていくしかないのかもしれません。

また、努力不足ではないかという点に関しては、正直なところ私もそう思ってました。 私は最初からプロジェクトに関わっていたわけではなく、元々1ユーザから関わるようになった立場ですので、ユーザの立場から見れば「予約ページは『予約しないと生産されません』だけ書かれていて、MSXが復刻する以上の魅力を伝えきれていないのではないか」と思えました。 そう思ったからこそ、プロジェクトにより関わるようになり、会議にも参加するようになりました。
実際には、予約が伸びていないことも、ユーザから否定的な意見が出ていること、ライトユーザ向けへのプロモーションが不足していることも、内部では認識しています。 まだあまり表に見える形では出ていませんが、現状を打破すべく色々な動きが出ているようです。(もちろん、それが不十分であると云われればそれまでですが…) この点はこれから改善されていくと思われます。
しかし、残念ながら現状ではユーザからの直接のリアクションが薄いのは事実で、1チップMSXに関して仕様改善要望などが直接アスキーやMSXAに届いたという話はほとんど聞きません。 現時点でプロモーションが不十分なのは事実ですが、現状に不満があるのであれば、それを積極的に(ちゃんと伝わるように)挙げていくべきだと思います。 むしろ、「内部から意識を変えていくんだ」というくらいの意気込みがあって良いのでは、と。 多分、そのあたりがあまり感じられない為に、「口を開けて待っている状態」といった発言に繋がったのではないかと思っています。

…うーん、書いているうちに、なんだか「鶏が先か卵が先か」といった思考に陥ってきました。 「魅力的なパッケージやプロモーションが提供できない」のが原因か、それとも「ユーザが消極的」なのが原因か…ただ、私はこのままMSXが滅ぶのを見るのは忍びないと思ってますし、だからこそ積極的に関わっていこうと思いました。