ブルードラゴン オリジナル・サウンドトラック

「ブルードラゴン」オリジナル・サウンドトラック〜ゲーム・ミュージック


というわけで、ファイナルファンタジーシリーズでお馴染みの植松伸夫氏が(たぶん)フリー後初の全曲手がけたゲームのサントラが出たので早速聴いてみました。
ファーストインプレッションですが、流石にFFではないので「お約束な音色」ではありませんが(^^;)、特に物悲しい曲なんかは植松節そのものといった感じ。 また、バトル曲系はギター全開でどれも絶品! カッチョ良すぎて失神しそうですわ。 ラスボス曲もギター鳴り捲りなんですが、ギター+日本語コーラスという構成は、植松さんの曲としてはちょっと真新しい試みだなぁ、と。 最近のFFでは、ラスボス曲は荘厳なオケと相場が決まっていた感があったので、私にはかなり新鮮に感じました&この曲大好きです。(^^)
そして、FFと決定的に違うのは何かというと、要所要所の曲で「ほっとした感」があること。 最近のFFでは民族音楽的な異国情緒感を漂わせつつ、イベントシーンではオケ中心のドラマチックな仕上がりとなっていましたが、今回はエンディングテーマ?の「Happy Birthday」からして肩の力の抜けた「ほっとする曲」なんですね。 お約束的ドラマチックな曲もいいけど、こういう曲も純粋にいいなぁ、と思いました。
そしてもう1曲、恐らく物語の中で重要な曲となっていると思われる「私の涙(みず)と空」。 この曲は、楽曲だけ聴いていると本当に普通の穏やかな曲です。 私も最初は普通の曲と思ってあまり真剣に耳を傾けてませんでした。(^^;) しかし、歌詞を見るとこれがもうどうしようもなく悲しい。 その歌詞を見てもう一度この曲を聴くと…この曲に秘められた悲しさが染み込んできてたまらない気持ちになります。 今までの植松さんの曲は、泣かせようとするシーンでは明確に「泣きのメロディ」を入れていたと思うんですよ。 しかし今回は違う。 穏やかなメロディを入れることによって、むしろその裏に隠された感情が体全体から染み渡る感覚に陥りました。 つまり、「泣け」と云われて条件反射的に泣いてしまう曲ではなく、「気が付いたら泣いていた」というタイプの曲だと思います。 この曲で、植松さんはまた新たな作風を手に入れた感があります。 是非プレイしてこの曲が流れるシーンを体験してみたい! 久々に、ゲームミュージックを聴いてゲームをプレイしたくなりました。
というわけで、FF=植松節を残しつつ、新たな境地に挑んだこの作品。 FFの物悲しさが好きな人にとっては若干物足りない部分もあるかもしれませんが、個人的には激しくオススメです。(^^)