PC-Engineの音源の話、その2。

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というわけで、先日の日記で取り上げたPC-Engine音源の音楽がショボい件に関して、Darios Sawmさんの日記(10/17)にアンサー記事が載っていたのでまたもや反応してみるテスト。
先日の記事では、VRC6がゴージャスな音になっている理由と、(それとは別の話として)PC-Engineが(同じ波形メモリ音源である)SCCと比べてショボい理由を考察してみたわけですが、DariosSawmさんの記事を見ると…


風の伝説ザナドゥII」の楽曲をもってしても、やはりRP2A03+VRC6によって演奏される楽曲の迫力には及ばないのが現実。「風伝II」の中でも幾つかの楽曲は技術的には驚異的な演奏を実現しているものの、それでも線が細くて薄いと感じる。
とのこと。 これを見ると、どうやらDariosSawmさんはあくまでPC-Engineの音楽と2A03+VRC6の音楽の比較」という部分にこだわっているのかなぁ…と。 純粋に音源性能の比較という観点で行うならば、やはりPC-Engineで全く同じ音色を作って演奏させてみる他に手段が無いような気がしますね。 幸い、VRC6の波形はそんなに難しいものではないので、どれもPC-Engineで擬似的に作れるのは?と思います。 ただ、そうなると最初にChabinnさんがおっしゃっていたように、2A03+VRC6のほうに分がありそうな気が。 それは単純に発音スペックの差(ファミコンでは独立ノイズ+DPCMが別途使えてしまう)によるところが大きいと思うんですが、そのアドバンテージが無かったとすると…どうなんでしょうね?? PC-Engineの音源スペックを詳しく把握していないので、こればかりは実際にやってみないことにはなんとも…(^^;) それでもPC-Engineの音とVRC6が全く違うとすれば、あとはチップからの出力波形の相違とか、その先のチップからRCA出力前までの増幅部分の相違とか…そのへんになるんでしょうか。(ハードは詳しくないのでよくわかりませんが…^^;) ただ、ファミコン音源に関しては実機録音とかもやっているのでよく波形を見てますが(但し、RF出力ではなくビデオ出力音声やNSFプレイバックカートリッジからの出力だったりするので、これまた素の環境とまた違うのですが…)、主に以下のような特徴が見られます。(10/19:ちょっとだけ補足。 波形を見た感じ、発音開始が+側から始まるときと-側から始まる場合があるようです…謎。 また、波形が上下に寄るには無音から音が出た最初だけっぽい感じ…そのうち波形画像も追加します)

  1. 波形出力の最初(無音からの発音開始時)は+側(中心線より上)もしくは-側(中心線より下)にしか波形が出ていない
  2. 時間経過と共に波形が下がっていき、最後は中心線の上下にほぼ同レベルの波形が出力される

  ⇒実際の聴感はアタックだけエッジが効いた感じで、徐々にマイルドになっていく印象
 

  1. 三角波や鋸波などの特殊波形は滑らかではなく階段状に出力される

  ⇒解像度がかなり荒い印象。 独特の「ギューン」というノイズはコレが原因?
 

  1. 鋸波の波形は一定の音量を超えると上下が潰れてしまう(らしい)

  ⇒大音量だと音色が歪んでまた違う音になる?

最初のはチップの特性というより、実機の場合のアナログ回路の特性っぽい気が。(ハード詳しくないので推測ですが、元々音源チップから出ている波形は上半分のみで、多分コンデンサを通ることでそこが段々と中心に寄って行くのかなぁ…と) なので、コレはPC-Engineファミコンの違いというよりも、実機とエミュレータの出音の違いなのかも。 ただ、もしPC-Engineのチップが最初っから波形を上下対照のレベルで出力できるとすれば、エッジの弱さの原因がココにあるのかなぁ…と推測。(※あくまで推測です。 間違ってたらスミマセン) また、階段状となる波形出力に関しては、波形の形状とかが音質に絡むという説もどこかで見かけました。(確か、波形が上がるときと下がる時で若干形が違っていて、それが音質に絡んでいるらしいとか…どこまでが真実なのかはわかりませんが)
…色々書いてみたものの、結局は実際に鳴らして見て出力波形と聴感の違いを調べて推測するしかない、といったところでしょうか。(^^;) でも、ここまで研究してる人ってのもあまりいない気がするので、今後Chiptuneの使いこなしの為の基本情報として調べておくと役立ちそうな気がします。